Taichi Nishishita
Architect & Associates
日々のこと

絵を描くということ

2023.07.31

先日の新築オフィスの設計のプレゼンにて。僕たちはいつもお客さんに、図面+模型+パースで提案の説明をさせていただいています。

模型はレーザーカッターで、パースは手描きで。

パースは、毎回プレゼン用にスタッフさんが描いてくれるものをチェックバックしています。今回はチェックバックというより、良いと思う点をコメント。

いつも描いてくれるスタッフさん、元々うまかったけど、回を重ねるごとにどんどん良くなるの様子が嬉しい。僕が途中経過をチェックバックする回数も随分減ったし、いつも期待以上の仕上がりで提出してくれる。

パースを描くとき、もちろんテクニックは大事なのだけれど、それだけじゃ表現できないものがある。

・伝えたいという強い想い
・想像したものを丁寧に観察する根気強さ

この2つがすごく大事。

僕はCGではなく手描きのパースの方が好き。CGでは作った部分全て表現されるので、想像力の余白まで搔き消されている感覚がしてしまうから。

そもそも人はありのままに空間を把握なんてしてなくて、自分の中に物語をつくりながら、自分なりに空間を把握している。

客観的に事実である空間であっても、僕たちが伝えたい空間やクライアントが感じる空間は事実の通りでない。

想いと主観を載せるからこそ、伝わる空気があると信じている。

絵を描くというのはリアルさを追求することが目的ではなく、設計や表現を考える思考のプロセスの断片を共有するような感覚。

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