日々のこと
家に仕える
2018.01.26
本来「施主」と言うのは施す主と言う意味ですからそう呼んでしまうと、施しを受けていることになってしまうわけで、僕としてはちょっと釈然としない思いが残るのです。僕がクライアントという言葉を使うのは、施しを受けているわけではなく、あくまで依頼を受けてやっていると考えたいからです。
で、もし、「施主的な存在」があるとすれば、それはこれからできる「家」だと考えています。普通は施主が1番上にいて、その下に設計者がいて、さらにその下に工務店がいて、職人がいるという具合に、上下のヒエラルキーができるわけですが、僕はそういう上下関係ではなく、クライアントも設計者も職人衆もみんな横並びとなって、自分たちが作ろうとしている「家」に仕えて、力合わせてやっていくというのが理想の形だと考えています。
尊敬する建築家の言葉です。本当にその通りだと思います。「家に仕える」という精神を持って、建築に取り組んでいきたい。