ラフスケッチ
2018.02.19
人に見せるつもりもない、自分が考えるためのスケッチが建主に好評だったりする。
人に見せようと意識すると、どうも線が固くなってしまうので、ラフなスケッチの方が僕も好きだ。
散歩
2018.02.15
ここのところ、現調の際に対象となる敷地に滞在する時間よりも、その周辺を散策する時間の方が圧倒的に多くなりました。周囲の街並みとか、点景、街の空気感、光の質感など感じ、ぼんやりとイメージを膨らませながらしながら散歩します。この「散歩」が具体的に設計の何に繋がっているのか、表現するのは難しいですが、なくてはならないものという確信は間違いなくあります。
設計は些細なディティールの積み重ねですが、建築の「質」とか「考え方の方向性」など、もっとぼんやりしたものの中に本質が隠れているように思います。
設計が具体的になるにつれ、些細な部分に捉われ、大きな方向性を見失いそうになる時があります。建築はつまるところ「全体感」が最重要。現調の度に、ふと我に返ります。
薪ストーブ
2018.02.06
昨夜のこと。引き渡しを終えた「稲荷の家」にて薪ストーブの取材がありました。久しぶりにお邪魔しましたが、生活感が出てきてホッとする空間になっていました。そして温かい。。。朝でも20℃前後の室温になっているようです。
工事中の現場も楽しいですが、こういった住み始めてからの姿を見るのも良いものです。またお邪魔させていただきます。
家に仕える
2018.01.26
本来「施主」と言うのは施す主と言う意味ですからそう呼んでしまうと、施しを受けていることになってしまうわけで、僕としてはちょっと釈然としない思いが残るのです。僕がクライアントという言葉を使うのは、施しを受けているわけではなく、あくまで依頼を受けてやっていると考えたいからです。
で、もし、「施主的な存在」があるとすれば、それはこれからできる「家」だと考えています。普通は施主が1番上にいて、その下に設計者がいて、さらにその下に工務店がいて、職人がいるという具合に、上下のヒエラルキーができるわけですが、僕はそういう上下関係ではなく、クライアントも設計者も職人衆もみんな横並びとなって、自分たちが作ろうとしている「家」に仕えて、力合わせてやっていくというのが理想の形だと考えています。
尊敬する建築家の言葉です。本当にその通りだと思います。「家に仕える」という精神を持って、建築に取り組んでいきたい。
住まいは人を現わす
2018.01.13
新規の建主さんのヒアリングに引っ越し間際の「稲荷の家」を借りさせていただきました。少しずつ住まい手の生活の品々が納められている様子にほっとしました。ちょっとした小物など随所にセンスが光り、この住まい手あってこその、この家だなと実感した次第です。
住まい手の個性や建築に対する価値観は家そのものに現れます。今、いくつか基本設計の案件を抱えていますが、この価値観の共有が一番大切だと、改めて肝に銘じています。
仕事納め
2017.12.28
今日で仕事納めです。 12/29~1/3までお休みをいただきます。
この一年、本当に多くのことを経験できたし、たくさんの人との出会いがありました。新しい設計の依頼もいくつか頂き、来年も慌ただしい一年になりそうです。この一年に感謝。そして、新たな一年に向けてしっかりと英気を養います。
稲荷の家・完成見学会のお知らせ
2017.10.30
年内いっぱい要予約にて見学会を開催しています。「本当の暮らしの豊かさを考える家。」と題して、一般の方にも設計趣旨が伝わるよう、様々なしつらえをしてあります。是非、本物の空間を体験してみて下さい。
ご予約は080-3161-8596(西下)まで
なぜ庭が必要か?
2017.09.14
造園工事が始まっています。少し緑が入るだけで建築が纏う空気感が格段に良くなります。建築の持つ強い「線」が植栽によって曖昧に溶けていく様は心が踊ります。建築の存在感をよりヒューマンなものに近づけていくために造園は欠かせないものだと痛感します。
お昼休みには造園屋さんを食事に誘い、色々と語り合うことができました。私の「なぜ庭が必要か?」という問いに対して、彼が言うには「庭はお世話をしてあげなければならず、その行為自体が暮らしのゆとりであり、豊かさである」と。
「便利さ」や「機能」がもてはやされ、「豊かさ」が失われつつある今の世の中において、こういう感性を大切にしたいと改めて痛感します。
左官工事
2017.08.23
「稲荷の家」の左官工事が始まっています。写真は土壁の下地で、仕上げは漆喰を掻落します。この家一軒の左官工事の中で何百ℓもの水を使うようです。建築は「防水」が基本ですが、左官壁によって水分が内包されることで、豊かさが増すように思います。やはり人の暮らしの本質的な豊かさには火、水、緑、木材などの「自然のもの」と「人の手仕事」は欠かせないものです。それはいくら洗練された「便利で機能的な」設備機器でも得ることはできません。
夜には左官職人の皆さんとお酒を酌み交わし、熱く語り合うことが出来ました。志高く仕事をされている方のお話というのは心に響きます。職人の皆さんと建築士・建主がそうやって心を響かせ合って、良い建築は生まれていくはずです。
大詰め
2017.08.12
明日からお盆休みです。早朝に現場に行き、改めていよいよ大詰めだなとしみじみ実感。今はまだ建築の存在感が強いですが、これから塀や植栽などが仕上がり、時を経るにつれ、少しずづ周りの風景に馴染んでいってくれればと思います。建築の存在感が周りの風景に「負ける」よう、少しずつ丁寧に整えていきます。
仕上工事に突入
2017.08.03
稲荷の家も大工工事を終え、仕上工事に突入。空間のボリューム感や陰翳がよりリアルになってきた。盆明けからは左官工事が始まります。
外壁板貼り
2017.06.13
「稲荷の家」外壁板貼り真最中です。窓廻りや手摺等との取合い部分は本当に手間がかかりますが、とてもきれいに納めてくれています。思わずじっと作業を見つめてしまいます。
今回外壁と軒天には米ヒバを使っています。軒天は品のある雰囲気を作るためプレーナー仕上。直射光の当たる外壁は相じゃくり板を下見板貼りにすることで少し陰影を付けつつ、仕上も製材挽きのままの少し粗い表情にしておくことで、ピカピカな感じにならないよう、落ち着いた風合いを出すように意図しています。
大工さんに頑張っていただいている間、私は外構(塀の高さ、駐車場やアプローチの位置など)を検討するために、現場で糸を引いてみたりしながら、具体的にイメージを膨らませていきます。机の上でいくら考えても、現場で考えるのには敵いません。
手間のかかる現場ですが、楽しんで仕事をして下さる大工さんに「感謝」です。